「地球温暖化問題と草津町のかかわり」
さぁ、第２部の探検テーマは「地球温暖化問題と草津町のかかわり」にします。
大きなテーマですが、どこまで掘り下げる事ができるか楽しみです。 24.NOV.2009 探検開始。
「昭和初期までのエネルギー消費」(大気中ＣＯ２濃度３００ｐｐｍ前後またはそれ以下)
草津町だけの継続数値データは容易には見つからないでしょうから、生活様式などから推測します。
草津町は過去多くの大火があり、また多くの埋立を行っていました。
これらの修復や開拓は人力で行われていたはずです。牛馬も使ったかもしれません。
1818年『草津蒲鉾』が誕生しましたが、蒸しの燃料には恐らく薪や炭などを使っていたものと予想します。
明治27(1894)年に『山陽鉄道』が広島まで開通しました。蒸気機関車を使って石炭を消費していました。
明治37(1904)年に草津本町に『魚市場』が出来ました。
間違いなく電気も通っていたはずですが、まだこの頃のエネルギー消費量は今に比べるとわずかだったでしょう。
電気は火力発電、水力発電。また昭和１４年には草津変電所はありませんでした。
自然からの恵みの恩恵を受け、舟も帆船だったと予想します。
○「草津案内」大正13(1924)年2月1日草津町役場発行の情報より
大正13年1月1日の人口：5934名
商業2792名(47%)、漁業1136名(19%)、工業655名(11%)、農業1155名(19%)、その他196名(3%)
生産額 工産物：３５万円、水産物：３０万円、農産物：１６万円 で約８０万円の規模でした。
主な産業は、水産、牡蠣（かき舟）、海苔、漁業（山口県、愛媛県、朝鮮の海湾で漁）、
水産加工品、蒲鉾付属工業、醸造とあります。
○「町勢要覧」昭和3(1928)年7月5日草津町役場発行の情報より
昭和3年4月1日の人口：5412名
農業738名(14%)、水産業1739名(32%)、工業751名(14%)、商業1944名(36%)、公務自由業78名(1%)、交通業18名、無業144名(3%)
生産額 工産物：1,110,931円、水産：318,426円、農産物：145,842円、畜産物：24,895円、林産物：315円 で1,600,409円の規模でした。
海外渡航人員：593名
自動車６、荷馬車３、荷車４１１、自転車２９４、８トン汽船１、発動汽船４、四間船 以上１６０、三間船１００、二間船１２、一間船６。（１間は６尺で約１．８１８ｍ）
電鉄宮島線は草津駅、荒手停留所(現 草津南)、高須停留所
上記２つの情報の期間は約４年ですが、生産額は３倍余りで急成長でした。商業・農業人口が減り、水産業・工業人口が増しました。
人口は減っていますが、海外渡航者数を含めると４年間で71名増しました。
小学校の各学年が１２０名程度で、今とあまり変わりません。昭和２年度の出生は２１５名(男１０８、女１０７)、死亡は１０３名(男５７、女４６)
８トン汽船が１、発動汽船が４、自動車が６でこの辺りが化石燃料を使っていた可能性があります。
電気を作る為に化石燃料を消費していたでしょう。人口当たりのエネルギー消費量は製鉄などの重工業地域に次ぐ位と推測します。
注記：昭和４年に草津町は広島市と合併しました。以後 草津町だけの資料は今のところ得ていません。
日本全体のエネルギー消費状態はどうでしょう。
1907年(明治40年)から1913年(大正2年)までの電力情報がありました。
上図の情報から電力利用のはしりの様子を知る事ができます。
事業用電力の伸びが次第に大きくなり、1913年には自家用電力を超えています。
1910年頃 水力発電能力が火力発電能力を上回ったのがみれます。この頃は水力発電の開発を進めていたようです。
この後、大正6年(1917)には電動機使用が蒸気機関使用を上回っています。
1914年から1919年の第１次世界大戦の期間では、1913年は蒸気機関が電動機の倍近かったですが、
1919年にはちょうど逆の比率になっていました。(「日本歴史大系」による)
日本も債務国から債権国になっていますし、貿易額も大戦の前後では４倍位になっていました。
第１次世界大戦後はヨーロッパの復興で再び輸入超過となりました。(「日本貿易精覧」による)
1920年(大正9年)の世界恐慌、そして1941年(昭和16年)第２次世界大戦となります。
もっぱら石炭の利用が主でした。(石油の利用の増大は1950年代までまだ先です。)
１８世紀に始まった産業革命で、『大気中ＣＯ２濃度』は次第に上昇していましたが、
1920年頃の『大気中ＣＯ２濃度』は３００ppm足らずだったと推定します。
今年(2009)は380ppmを越えていますから100年足らずの間に２割７分増しという事になります。
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