厳島神社 (2013.11.30 16:30頃撮影)

アキレス腱 断裂 −私の場合−


  ■突然の断裂
   ちょうど会社のイベントで宮島に行って、夕方 厳島神社の前の海岸で写真を撮っていました。
   潮が来たのでぐっと前に踏み出したつもりが「パシッ」という音がして前に倒れそうになりました。

   おかしい。
   前に進めない。ひょとして腱が切れたのか?
   (高校の体育の準備体操のストレッチで、先生がアキレス腱を断裂されたのを見ていたのでそう思ったのでした)

   やはり確かめると左足は前後方向に力が伝わらない。

   指でかかとの筋を押して探ると凹のところがある。 間違いない。
   しかし荷重を掛けなければ、痛みは感じ無い。 歩けるか?

   横歩きならできる。 日も暮れたので、とにかくカニ歩きで宿へ。

   腫れは小さく痛みも酷くなく、生命の緊急性は高くないと判断したので、イベントをこなすことにしました。
   ※あくまで私の場合です。それぞれの場合に応じて適切な対応をしてください。


   原因を振り返ると、
   神社に参拝してから写真撮影をすべきだったかも。
   それとも参拝者が増え、神様のご機嫌が斜めだったのかも。

   紅葉が終わった夕方で気温は低く、短距離走のスタートダッシュのような状態で腱が持たなかったのが原因でしょう。

   感触としては アキレス腱はふとしたきっかけで切れるみたい。
   スポーツで大きな荷重がかかって切れるのは容易に想像できますが、ストレッチ体操で切れる場合も
   ありますので、かかる力や方向,状態(寒さ、老化など)によって耐力が変わっているのでしょうね。


  ■治療方法
   「手術」と「保存療法」があるそうです。

   納期が迫っている業務も抱えていますし、手術して仕事が空くと影響が大きいので「どうすべきか」と考えていました。
   (どこの職場も似た状態だと思いますが、複雑でマニュアル化するのが難しい事象は「その人だけが知っている」という
    リスクがあります。私のところの職場もそうです。 個々が握り過ぎて綱渡り状態にいると思います。)

   さて病院では「保存療法」を勧められました。
   スポーツを生業にしている訳でもなので復帰を急がないし、入院をしてイライラしなくて済むのはなりよりです。

   「保存療法」を選ぶと治療は簡単です。
   バレエの爪先立ちのように、踵(かかと)をいっぱいに伸ばした状態にしてギプスでかかとを固定します。
   (年配の看護師さんの話では、昔はひざ上まで固定していたそうですが、ひざが使えるのは幸いです。)
   それを日を変えて、少しずつ曲げて行きます。

   簡単に治療の流れ(※私の場合)を言うと、
    初め切れた腱同士を近づけておきます。 すると腱がつながり(再生を)はじめます。(曲げ角ほぼ0°)

    つながったら、少しずつ曲げて平常状態に近づけて行きます。(曲げ角ほぼ0°⇒60°,1か月半)

    ギプスから装具に替えたら、負荷(リハビリ)をかけて腱と筋力を強くして行きます。(曲げ角ほぼ60°⇒プラス)

   時間が治してくれる感じ。

   ちょうど今、装具に替わったところですが、まだ少し爪先立ち状態なので松葉杖の使用を指示されています。
   「装具に替えた時に再び断裂する方が多い」と先生はおっしゃっています。
   なので、もう少し松葉杖生活です。
   リハビリですが、1月半もギプスで固定していたので むくみや筋肉などが固くなっていて踵はあまり動きませんし、
   足の裏や腱に痛みがあります。(2014.01.22)

   装具の点検と調整でスペーサが2枚になりました。なので、松葉杖生活が終了です。
   歩行訓練で近所のスーパーまで行って来ました。
   普段 往復10分のところが30分かかりました。平らな道は歩き易いですが、傾いている道は難しかったです。
   踵の可動範囲を戻すのにもう1ケ月。
   筋力を戻すのにもう数か月?といったところでしょうか。(2014.01.29)

   自宅内では装具を外して歩く練習をしています。まだまだ可動範囲が狭く、外出時は危ないので、装具を使っています。
   ちょうど3ヶ月くらいです。(2014.02.19)

   今日から装具無しで生活しています。まだまだ足はむくんでいますし、ツッパリがあります。
   特に階段の下りが難しいです。(2014.03.12)

   装具無しから10日が経ちましたが、筋肉痛と、ツッパリ、むくみは続いています。
   何を持って「完治」というのか分かりませんが、まだ走ることはできません。(2014.03.23)



「下肢装具」 踵の部分のスペーサを少しづつ外して行きます。まだ3枚あるので約3cm踵を上げています。


  ■気付き -社会インフラ-
   治療を始めて松葉杖生活になった訳ですが、公共機関を使っての通勤は極めて困難という事が分かりました。
   J○の駅ではエレベータが無かったり片側しか無かったり、エレベーターを使って改札まで行こうとすると300m位あるし、
   何より通勤ラッシュのぎゅうぎゅう詰めには私も耐えれないし、周りの皆さんも耐えれないでしょう。

   幸いな事に今の勤務地はフレックス制で10時までに出勤すれば良いので、自家用車で送ってもらっています。

   広島駅はエレベータなどの設備が揃っているのに その他の駅は設備不足で利用できないのでした。
   お金もかかることですし、設備を揃える事はこれからも課題でしょう。


  ■気付き -人々の行動-
   松葉杖生活で、見えてきたのが、人々の行動です。
   あからさまに嫌がる人。必要以上に親切にしようとする人。適切に助けてくれる人。の3種を感じています。

   順に私なりの分析をしてみます。
   1.あからさまに嫌がる人
    これはしょうがないですね。見慣れないことから「恐れ」を感じたり、どう対応して良いか分からないから避けた
    のだろうと想像します。
    でも後で、自分のとった行動について色々考えているのでしょうね。

   2.必要以上に親切にしようとする人
    必要以上であっても、必ず最後に私は「ありがとう」と言いいます。
    経験は無いですが、想像で「きっとこうしたら相手が助かる」という無意識の行動だと思います。
    日本人らしい行動だと思いました。

    また、体に何かを持っている人を「障害者」でなく「チャレンジャー」と呼ぶ意味を体感しました。
     例えば、手動ドアを開ける時
      速やかに開ける事はできませんが、開けることはできます。
      当人はこれもチャレンジやトレーニングと思っています。

      そのチャレンジの時 ドアを開けてもらうと「嬉しい」気持ちと、「やらせてくれ」という欲望が錯そうします。
      手助けをした人は、「大変だろうなぁ」という想像から自分の中の自我の基準に照らし合わせて
      自発的に行動したのでしょうね。

   3.適切に助けてくれる人
    骨折など、過去の経験から状況把握と共感から見守ってくれたり、アドバイスをくれます。
    こういう人が何人かいると心強いですね。

  ■おもうところ
   不幸にもケガをして周りに迷惑をかけていますが、感謝の気持ちを忘れずに復活できるよう過ごして行こうと思います。

   この新しい経験が視野を広げたのは良かったです。


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